アルバム【Leichenschrei】(1982)に出した後にこの
カセット【From Science To Ritual】を買ってね。
ファーストともセカンドとも違う、なんか不思議な空間
のノイズ作品。
翌年【Machine Age Voodoo】というSPK史上ノイズ好きの
皆を恐らく困らせるようなアルバムを作って全てに諦めが
ついたであろう(って流れで聴いてた)【Zamia Lehmanni】
という、今のグレアムの仕事につながる超絶ゴシック・リチュアル
なサウンドを形成する。
彼ら(メンバーの脱退がやたら多かった)の基本は
病理イメージ
それに尽きる。
ジャンルとしては好きだけど、普通に生活してたらあまり褒められた
ような世界ではなく、病理イメージだけが輸入され日本では
その上にローファイなノイズの垂れ流しだけが受け継がれたような
イメージしかない。
そしてこのカセットアルバムはその病理イメージとディスコとの
中間よりノイズ寄りな破天荒な音に終始している。
結局はマトモじゃなかった、って話さ。
ファーストでは歯医者を思わせるノイズ作品、ハーシュエレクトロで
始まるのにも衝撃を受けたけど、この作品も民族音楽したいのか
ディスコしたいのかよく分からない作品で若干頭が混乱したりも
したけど、俺のノイズ魂っていうか=慣れ、もっと爆音へ、って
意地もあって普通に受け流してたイメージがある。
今聴くとアブストラクトで腐食ディスコ&腐食民族音楽って
感じ。
大体タイトルからしてちょっと気持ち悪いしさ(笑)
科学から宗教、だし。
M.B.(84年にエホバ行く前の)とは違った気持ち悪さがあるのが
S.P.K.だったな。
この作品の後、LPでは完璧ディスコ化し思いのほか売れなかった
ため、美しいリチュアル・ゴシックを作って映画音楽の
世界に行ったグレアムの一人勝ちってイメージやね。
ニールは自殺するけど恋人が死んで後追い自殺したし、結局
イメージとしてノイズ=病理として彼らは紹介された時点で
ある種不幸だったのかもしれない。
このカセット作品を聴くと、別に買った当時を懐かしく思う
事もなく、過去にあった恋愛もほぼ忘却の流れとして
しか受け止められない俺としては騒々しいカセット作品って
だけで、やっぱ基本はパンクな瞬発力だよな、と思いながら
普通に聴ける。
もっともCD化して欲しいけど(してるのか知らん)下手したら
一番騒々しい作品なのかもしれない。
それは80年代特有の音質の悪さもそれを助長している。