去年辺りからちょくちょく名前は知ってたけど、(もっと前からかもしれない)
作品をひとつも持ってなかったので今回4枚のアルバムを買った。
内ひとつは7時間にも及ぶ上記のyou tubeの音源だ。
76年(13歳)にドイツのプログレというか、シンセサイザー奏者の
クラウス・シュルツやジョン・ケージに触発されアンビエント等の音を
作り始めたそうだ。
シュルツの音はよくワーグナーと比較される部分があり、初期にはドラッグ
的なバンド、アシュラテンプルなどに属していて元々ドラマーだったが
後にシンセサイザー奏者となり現在も気が遠くなるような作品を
世にリリースしている。
瞑想性や浮遊感はあるものの、観念めいたものがあり初期の作品は
何処か物悲しい。アナログアルバムならばほぼ片面一曲のリリースが
多く、両面で2曲になる。
彼はいかに長く演奏できるか、という事をかなり意識していたようで、
LPやCD等、ギリギリまで使える時間を費やしていた。
そんな彼らに触発されながら1982年にアルバム【Sunyata】をリリース。
聴いた事が無いのでどのような作品だったかは分からないけど、80年代は
『スリープコンサート』と題されたものをライブで行い、観客は寝袋を
持参して演奏を聴きながら眠る、というライブを展開していたそうだ。
その延長線にあるのが上の動画のアルバム【Somnium】2001年にリリース
された作品であった。
俺が買ったのは2004年のリリース作品でDVDという形式で発表。
7時間にも及ぶ収録時間を誇る。
このアルバムは昨日届いたばかりなので全てのプレーヤーで試した訳
では無いので分からないが、パソコンで聴く限り映像は恐らく出ないと思う。
音はちゃんと流れるので日本製のDVDプレーヤーであれば演奏を
聴く事が出来る。
持ってないので分からないがブルーレイ・プレーヤーではどうなのかは
分からないけど恐らく演奏は聴く事が可能だとは思う。断言できないけど。
この度彼の作品を購入したのが
・A Troubled Resting Place, 1996
・Fissures, 1997
・Below Zero, 1998
・Somnium, 2001 (2004)
以上の4作品だけである。
色んなアーティストともコラボレートもしているようで、民族音楽
的なアンビエント作品を作ったりとかなりの量の作品群であるので
集めると結構な出費になる。
ので自己の欲求の中でのノンリズムなアルバムを選んで
ダークアンビエント的な作品を今回は買ったつもりでいる。
you tubeに多数掲載されていると思うので各々好きな曲を検索
してみるとどのアルバムに入っているのか分かるかと思う。
ダークアンビエント的な暗さはあるものの、重量感たっぷりな
へヴィーな音では決して無い。
個人的にはダークアンビエントとアンビエントの中間のように
この4作品を位置づけている。
ので、ヒーリングを求めるとやらた暗いし重苦しく感じるだろうけど
ダークアンビエント志向だとかなり整理された滑らかなシンセサイザー
ミュージックと言えるだろう。
元々はダークアンビエントに飽きてきてたので、俺の持っている彼の
作品ので自分が求めているゴシック的な物は無いか?と検索してたら
『Requiem』という曲があり、聴いてみると男性コーラス的な
部分かゴシックを掻き立てられる音に仕上がっていて気に入ったので
アルバムを購入した。
アルバム【Below Zero】に収録されたラストの曲で、その前の曲、
『Liquid Air』からの流れで聴くとかなり気持ちが良い。
この曲は女性ボイスが宇宙を彷徨ってるかのような耽美的な
アンビエントに仕上げられ、ラストに鎮魂のコーラス曲で締める。
何度か聴いたけど、重くはあるが決して絶望的な感触は残さない。
ノイズ的なアプローチもないからとても滑らかで煌びやかでさえあり、
恍惚感という観点においてはクラウス・シュルツの世界に共通する
何かが混在されてるような気がしないでもない。
たった4作品で彼の全容が分かる訳もないんだけど、ゴシック的な瞑想
観念からはやや外れるが、満足した作品群だと思っている。
どうしても以前書いたT.A.G.Cというアーティストの作品を
追い求めてるがなかなか無いのが実情だったりするからゴシック的
なる世界を求めてしまうのだと思う。
ただ、アンビエントとゴシックの融合というのはかなり難しい
作業ではあるな、と自分で作ってても分かる部分ではある。
その中でもこの『Requiem』は知ってる範囲で彼の作品の中で
一番ゴシック色が強い曲でもある訳だ。
暗さやへヴィーさを求めると違うアーティストの方が勝ってるし
闇の世界を体感出来ると思うが、ダークさの中にヒーリング的効果
を求める人にはかなりマストなアイテムであろうとは思う。
7時間連続演奏のアルバムは明るくは無いが鳥や小川ないし、水の
音などが入っていて俺が買った4作品の中では一番アンビエント志向が
強いという印象を受けた。