はっきり言うと俺はなんちゃってサッカーファンっていうか
ファンでもないけど、スポーツは好きなので、国際大会なので
見てたんやけど、良い試合はしたと思うし喜んだし
満足はしてるんやけど、試合が終わってふと自分を振り返る
ような事をしててね。
試合の後、むしょうにギターを弾きたくなってずっと弾いてた。
今後俺はどのような道に進むべきなのか、このままで良い訳が
無い、とかまあ何時ものように現状破壊を行わないとな、って
のが核心だったりする。
この歳になって音楽の道を再び行きたいのか、このまま
デザイン業を精進させてやってくのか、俺が以前やってた
ような工場勤務にするのか営業するのか、今の俺の考え
方って良いのか、とかを考えてるとキリが無いので
無心にギターを弾いた。
シンセサイザーを弾いても良かったんやけど、セッティングに
時間がかかるんよね。
リズムマシーンでテクノ作っても良かったんやけど、そんな
気分じゃない、やっぱりギターを弾きたかったんだと思う。
今まで人に迷惑をかけ、こんな人間は生きてちゃ駄目だ、と
何百回と考えて社会のゴミだ、とすら思う時がある。
そうこうしてる内に夜明け近くになりおもむろにLPを聴いた。
mp3やCDじゃなく、何故かアナログを聴きたかったんよね。
ジャケットの匂い、レコード盤の匂い、アートワークとしての
ジャケットの大きさを感じながら暖かい音色のレコードを
聴きながらギターを弾いてはコピーし、音を消しては
自分の得意なフレーズを弾いてた。
それでも自分が許せない、というか現状がこれか、と思って
体調がちと悪かったんやけど、気合だ、と思って今度は
ノイズを聴いた。
セッティングに多少時間がかかったが以前俺が作ってた
シンセサイザーの音色を加工した。
そしてアンビエントの音色を作り保存して、それでゴシック
アンビエントのような即興をずっとやってた。
目を閉じながら鍵盤は見なくても分かるので感覚だけで
コード展開の少ない曲を延々やってた。
昔はこんな事毎日してたんよね。
工場勤務で爪の中が真っ黒で洗っても洗っても取れない
油の汚れの中、ギラギラさせながら必死に作ってた。
今の俺にそういう必死さがない。
もっと別次元のような、後が無いような必死さだ。
若い頃と比べてのもがき方と今のもがき方はちと違うな、と
思いながら目を閉じて自分の音に酔ってようやく落ち着いた。
サッカーとはまるで関係ないんやけど、その後に自分に
何が足りないのかをメモ帳に書いていった。
全部書ききれてるか分からないけど、もう目がぐるぐるする
ような状態で書きなぐった。
そしてパソコンの前で果ててしまってそのまま寝てしまったんよね。
自分で打破してかなきゃいけないので、今は人と
中途半端な事が出来ない時期だな、と思ってる。
それがかりそめの一夜の営みだったとしても本当に安らげる場所
がないので、俺はまた戦闘モードに入り世と戦わなきゃ、自分と
戦わなきゃ、ってそう思ったんよね。
ビールを一缶飲んで、何故か安堵につき、デスクの前で寝た。
そんな日もあっていいのかな、とちょっと思ったけどね。